みっちゃん(ADHD)公開日記帳

ADHD社会人。日々悩んだり、迷ったり。紆余曲折しながら、発達障害と共に、仕事も私生活もより良く生きたい。

ADHDな私が「なぜ片付けられないか」を考察した(①不注意編)

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ADHDと言えば、そう。片付けが苦手です。
でもこの漠然とした「片付けが苦手」をさらに細かく噛み砕いて「具体的な原因」にフォーカスしないと、いつまで経っても苦手地獄からは抜けられない。

逆に、一般的(?)片付けノウハウがハマらないのは、ここの「原因」の部分に違いがあるからであって。そこさえ押さえて対策を取れば、割と何とかなったりもする。

考え方は、子供の「療育」と一緒。できないことをできるようにすると言うよりか、そもそもの出来る出来ないにフォーカスを当てて、そこに即したやり方を考える。(まあ、多少の訓練も必要だれど、そもそもの苦手に則さない精神論的訓練は苦手意識を助長するだけ)

と、言うことで、まず私がどうして片付けが苦手なのかを分析する🔍

片付けは出来る、けど片付けられない

はい「何言ってんだコイツ」と思った方のために解説すると、

  • 私は幼少期から一度スイッチが入って片付けるとめちゃめちゃ綺麗にできるのに、一度何かが崩れるとなし崩し的に散らかってどうにも出来ない状態まで陥るタイプの子どもだった。
  • 片付けという「行為」自体が出来ない訳じゃない
  • 一応、キレイを保てる時期も存在はする
  • けどなぜか驚異的な散らかり状態に陥りがち


これが私が思う片付けはできる、けど片付けられないタイプの人間。



具体的には、

  1. スイッチが入るとめちゃめちゃ完璧に綺麗にする(ただしそのスイッチが入るのは不定期/年1とか頻度は低め/スイッチ入ると過集中全開でとことん片付ける)
  2. 一度、完璧に片付けた後はしばらくキレイは持続する(このタイミングで友達とか招くと「めっちゃ部屋キレイだね~」と言われる/それを願って友達招く直前は必死にで片付ける)
  3. ふいに「完璧維持」が崩れる瞬間が訪れる(定位置に物を戻せずポン置きするとか)
  4. 「なんかもう良いや」ってなって、そこから急速に散らかっていく。そこから何がどうなるのかは自分でもよく分からないけど、気付いたら足の踏み場がなかったり、雪崩が起きたり「平面」が姿を消す(変わりにアリだのゴキちゃんだのが姿を表して絶望する)
  5. しばらく驚異的環境のままやり過ごす。けど謎のタイミングで「スイッチが入る」日が来て、最初に戻る


↑私は、こういうパターンが本当に多い。


おそらくこの話を、夫とか、バリバリ定型側の人間に伝えると(何言ってんだコイツ)という表情と共に「それはただの甘えじゃない?」「片付けしないだけじゃない?」というド・ストレート正論が返ってくる。

ここまで読んで

  • 「夫様の言う通りよ」(今一ピンとこない)
  • 「あー分かる!!!」(何となく共感可能)

前者の方は、私と別タイプのお方である可能性が高いので、あまり参考にならんかもしれん。後者の方々、同士でっせ~👏



では、上記パターンがどのようにして起こるのか、さらに詳しく見ていく。


片付けられた環境が「持続しない」ワケ

まあ上記のようなパターンは、割とADHDじゃなくたって割と誰にでもあるパターンではあると思う。

けれどその頻度と程度が異次元だから障害と名が付いている訳で。前述した「散らかって手が付けられない状態」というのが誰にでもあるレベルを超越していて且つ、それを放置する期間も尋常じゃないことを、長年私と住んでいる両親や弟、夫は口を揃えて証言するだろうね。



じゃあ何故、その自覚があるのに出来ないのか。最初に申し添えると、私は重度の知的障害を合併している訳ではないし散らかりというのがどういう状態で、どのような行動を取れば部屋は片付くというのを頭では理解している。手や足が欠損している訳ではないし片付けという行為自体が物理的に行えない訳でもない。


分かっているし、行動自体は可能。
ではなぜ、マメに片付けができなかったり、魔界と化すまで散らかし続けてしまうのか。


個人的には次の3つの理由、が心当たる。

  1. 不注意 (失念からの置きっぱなし現象)
  2. 多動・衝動 (思考の転導性)
  3. 日々のギリギリ感と過集中特性



1、不注意(⇒失念からの置きっぱなし現象)

ADHDは「注意欠如多動性障害」であって、不注意であるのは言わずと知れているけれど「何がどうして不注意に陥っているのか」か問題の根源だったりする。

世の中のADHDがどうかは知らんけど、私の場合は「ごちゃっとした情報の処理能力が低い」にも関わらず「処理キャパを越えて色々な情報が頭の中を常時駆け巡っている」結果、情報の取りこぼしや失念が起こりやすいんだと自負している。


発達障害がどうたら~という話になると「ワーキングメモリー」というワードをよく耳にする。脳が覚えられるキャパと言うか、容量的なやつね。(たぶん)


診断後に受けたWAISという検査の結果を解説してくれた心理士さん曰く、私の特徴として

・ワーキングメモリー自体は少なくない
・質の異なる情報を同時処理するのが苦手

という感じらしく。
平均が10のところ15くらい覚える能力(脳の収納キャパ)はあるけれど、
処理・収納する物の種類が単一ではなく複数で複雑(数字と平仮名ミックスとか)になった途端に、処理速度がめちゃめちゃ減速する。頭が閉店ガラガラ~状態に。




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(↑参考に、右下が私のWAIS結果)


よって、色々複雑な質の違う情報を同時に扱ったり収納しようとすると、途端に容量が5ぐらいになってしまって、
溢れ出た物達はキャパオーバー
⇒記憶に留めておけない
⇒抜ける・忘れる・消え去る

という悲しい結末を迎えてしまうそうな。心理士さんは「直列繋ぎには強いけど、並列繋ぎになるとショートする🔋」って言っていて、身に覚えがありすぎる。

試験10分前に英単語の丸暗記は出来るけど、受験とか学年末テストとかざっくばらん(?)に問われる系は苦手なタイプ。

この界隈で有名な「借金玉さん」が「机の上にでっかいタヌキがのってる状態」なんて表現で例えていたのが、とてもしっくり来ているのだけど、要するに

・机が狭い(=ワーキングメモリー自体が少ない)訳ではない。けど
・でっかいタヌキ(=余計な情報)が、でーんと居座っているせいで、残りのスペースが結果的に狭くなっている

↑こんなイメージ。
私の場合、でっかい単一の何かと言うよりか「細々した小タスクや思い付きやら何やらがごちゃっと散りばめている状態」という感じなので、めちゃめちゃ汚いお道具箱(死語?)の中身が、常にテーブル上にぶちまけられている状態と言った方がイメージしやすいかもしれない。

だから、必要な物を載せようとしても、コロコロと卓上から転がり落ちてしまう。これが私の不注意の正体だ。


その結果、何が起こるかと言うと。
何かを手に取り→使う→その最中に別のタスクを思い起こす→(その物の存在・元に戻すという行為の必要性をまるまる失念する)→使った場所・または別の何かを思い出した謎の場所に、物が置き去りになる

そうこれが、ポン置き現象!!!!



こんなのさ、どこの誰にだって経験はあるだろうけど。何度でもいう。その頻度と程度が問題なのであって。

月1でこのような事が起こりうる人と、同日に20回繰り広げられる私とでは、部屋に「ポン」と置かれている物の数が桁外れで違う訳で。



そして何より悪質なのが、その「忘れ方」で。「あとで戻そ~」とか「片付けるの面倒だから後で良っか」と思って置いておいて忘れる事も勿論あるけど(これは不注意よりか先伸ばしの類いだね)

そういった感情すらなく無意識で置いて、完全に忘れ去る事の頻度が多いもんだから厄介で。

ほら、定期とか切符とか、特に意識してどこかに入れた訳じゃないけど無意識でどこかに入れていて、降車直前であたふたするやつ。

あんな感覚で、色んな物をポン置きしたりなくしたりするもんだから、あっと言う間に部屋はパラレルワールドだし、毎日が神隠し(?)。まあ隠したのは自分なんだけどさ。



そんな訳で、この辺の不注意由来の散らかりを解決するためには、こういう散らかし方をしている前提で手を打つ】必要があって。

・物を使いながら注意が反れる仮定で
神隠しの如く物が消えないような
⇒使い方・しまい場所・しまい方を考える必要がある、というのが対策の軸になってくる。



一般的には、収納を増やしたり、物を減らしたり、片付け頻度を増やしたりで良いんだろうけど。

収納を増やしてもそこに戻す前に忘れ去るし、物が減っても出しっぱは出しっぱだし、片付け頻度増ではカバー出来ない程度の散らかり炸裂するし。



そこを踏まえて、やり方を見直すために、原因を探る必要があるんだよね。(診断名は同じでも、根本の根本にある原因や傾向は、一人一人違ったりする)



ちなみに過程の所で書いた「物を使っている最中に別のタスクを思い起こす」ってのが、2の(多動・衝動⇒思考の転導性)の話に繋がってくるんだけど、長くなってきたから、それはまた後日。




そうめんでも食べて、猛暑に打ち勝ちましょ~。ではでは。(続編へ続く)


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